◆大阪市のマンション相場の動き◆

大阪市の中古マンションの相場は?
これから上がるのか? 下がってゆくのか?

なかなか難しい質問ですが、皆さんが気になることですので
データをもとに検証してみようと思います。

目次
①中古マンションの㎡単価の推移

➁大阪市の人口の推移

③大手開発業者の動き

④まとめ

 

 

①中古マンションの㎡単価推移

大阪市の中古マンション情報はやはり近畿レインズに一番情報が集まりますので、近畿レインズからのデータをみてみましょう。

近畿レインズ:大阪府下の中古マンションの㎡単価の推移より引用

このデータでは大阪府下全体では、平成29年4月に入り、成約になっているマンションの㎡単価は少し下がっています。

前月は31.2万円なのに対し、4月は30.4万円となっております。あくまで平均ですが、60㎡のマンションに換算すると前月1872万円→4月1824万円という動きです。少しですが下がっていますね。

では、大阪市内主要6区(中央区・北区・西区・福島区・天王寺区・浪速区)ではどうでしょうか。

引用:近畿レインズ (3) 中古マンション<全体> 単価推移(府県・ブロック別)

大阪市の中心6区(中央区・北区・西区・福島区・天王寺区・浪速区)は前月は53.3万円に対し4月は48.4万円となっており、大阪府全体に比べ単価は高いのですが、下落幅は大きいことが分かります。60㎡のマンションだとすると、前月は3198万円→4月は2904万円ということになります。

レインズに登録されるマンションの㎡単価は横ばいですが、成約になる物件の単価が低い状況です。価格交渉に応じる売主様が増えたのか、割安な物件しか売れないからなのかは分かりませんが、プロの不動産売買業者(転売業者)が価格を下げたケースも見受けられました。

売却をする売主さんとしてはこのような数値をもとに価格の設定や販売プランの変更を考えてもよいかもしれません。こういうアドバイスをしてくれる不動産業者も必要ですね。

 

➁人口の推移

“景気は人口の波が作る”という言葉があるように、大阪市の人口や企業の数が不動産価格に大きな影響を与えることは十分に考えられます。大阪市の人口は今後どうなるのか?この切り口からも考えてみたいと思います。

平成29年5月1日現在の大阪市推計人口は2,709,167人となりました。平成29年4月中の大阪市の人口異動は、自然動態が556人減、社会動態が5,166人増であり、人口増減は前月から4,610人増となりました。

引用:大阪市のホームページより

大阪市の人口等集計結果の要約

<人口総数、男女別人口>

全国や大阪府が人口減少に転じた一方、大阪市では人口増加が続く

  • 大阪市の人口は、平成22年から1.0%の増加となり、269万1,185人。
  • 男女別にみると、男性は0.7%の増加となり、130万2,562人(男女別割合48.4%)、女性は1.2%の増加となり、138万8,623人(同51.6%)。

◆平成27年10月~平成28年10月の人口増加率

引用:大阪市のホームページより

 

このデータを見ている限り、現在までは人口が増加傾向にあります。大阪市の中央区・天王寺区・西区では人口の増加率は他の地域に比べてはるかに高いですね。

大阪市内に限っては持ち家率も上がっているようですので、人口が急激にここ2・3年で減ってしまう、ということはなさそうですが、安心はできません。実際に人口の減少を見越した不動産開発会社の動きにも注目したいところです。

例えば・・・

 

④大手企業の動き

 

阪急阪神HDが長期ビジョン、梅田再開発 沿線に活気 

 阪急阪神ホールディングス(HD)は19日、2025年度を最終年度とする長期ビジョンを発表した。経営統合から20年を迎える同年度までに関西で人口減が進むと判断。JR新大阪駅と接続する新線の開設やビル建て替えなどを通じて地盤の大阪・梅田を国内外の人口や新産業の結節点に育てる。首都圏や海外に不動産事業を広げて成長を目指す。不動産事業の統合など組織再編も進め、収益基盤を固める。

関西から首都圏や海外にも営業基盤を広げる背景には、急ピッチで進む人口減がある。関西の人口は40年に1500万人と15年と比べて16%減る見通しで、首都圏(10%減)と比べて減り幅が大きい。同社は営業利益の9割を梅田と沿線で稼いでおり、事業の分散が喫緊の課題となっている。引用:日本経済新聞 地域ニュース 関西 記事

 

この記事によると、阪急阪神HDは関西圏の将来の人口減少に備え、営業基盤を海外や東京都に広げるようです。

また、インフラを整備し梅田地域に人の流れを呼び込み、人口・産業の結節点に育てる、ということですから将来は、大阪の中心部とその沿線に人口が集中し、他の地域(人の流れが緩やかな地域)は人口減となる、2極化が進むように思います。その動きは不動産の価格にも大きな影響を与えると思われます。

 

●●●まとめ●●●

大阪市内のマンションは、住宅需要以外の要素の影響を受けやすい地域といえます。現在、大阪市中央区は多数のホテルの建設が進んでおり、地価もマンションディベロッパーよりも高い価格でホテルの開発業者が取得しています。

関空があり、京都も神戸も近い大阪は観光客が多く、当社の事務所周辺(中央区南船場)も通行人の半数は観光客です。ホテルの数はまだまだ足りていないことを実感します。

それに伴い、周辺のマンションの価格も高騰しています。実需以外の投資のための購入も多いのです。実際に当社の取引も半数くらいは投資用に購入する方でタワーマンションや広い間取りの築浅のマンションを購入されています。

これからのマンション相場はどうなのかというと、今が過熱状態であると仮定すると、やはりもう少し落ち着くと思うのですが、投資用にも人気のあるマンションはそこまで値崩れしにくいのではないか、と思います。

そして投資向きではない、居住用限定の築の古いマンションはやはり少し価格が下がっているようです。

 

【売り時かどうか】

レインズの資料を見ると、4月に入り少し相場が下がっているように思います。これは3月に比べてということであり、長いスパンで見ればほぼ横ばいですね。

しかし今からの動きはというと・・ 私にはここから急激に価格が上がるとは思えないのです。

その理由は、銀行の融資姿勢です。 不動産売買には銀行融資を使う取引が圧倒的に多く、銀行が融資で不動産の価格は左右されます。

その銀行が投資用の融資をこの4月から締めてきています。背景には平成28年度の金融庁の『金融政策方針』により、今まで積極的だった不動産投資に関する融資姿勢を見直すよう各銀行に指導しているようです。

これは不動産価格の急騰を抑えることになります。その影響で、居住用にも投資マネーが流れ込んでいる大阪市中央区はおそらく住宅・マンションの価格にも影響がでるのではないかと予想しています。

このことを考えると今の相場は高いが今後は少し下がると考えられます。売れるようなら売ってもよい時期ではないでしょうか。

個人の見解ですが、参考にしていただければと思います。

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